第180回 「2021年度入試は浪人が有利 PartⅠ」
皆さん!こんにちは!コロナ騒動は止まる気配はありませんが、早いもので3月も下旬となりました。厳しかった大学受験の合否もほぼ出揃い、滑り止めで妥協するか、それとも浪人して捲土重来を期すかで深く悩んでいる生徒さんも多くいらっしゃると思います。そんな皆さんのために、果たして浪人という決断は得なのか?はたまた損なのか?という禁断のテーマについて論じてみたいと思います。
そもそも浪人とは高校3年生時点での大学受験において、志望大学から要求される点数に届かなかったために翌年に再チャレンジする事を意味します。浪人する事を決定するという事は、言い換えれば「学習期間を1年延長することで、前年に果たせなかった志望校合格を達成する可能性がどれほど高まるのか?」を慎重に精査することに他なりません。
以下の3つの視点からの考察を、2回に分けて特集していきます!
国策からの視点
2021年度入試の最大のポイントは「センター試験の廃止と大学入学共通テストの導入」と「学校推薦型・総合型選抜の実施」に尽きます。まず、大学入学共通テストですが、英語4技能試験並びに記述式問題導入の双方がそれぞれ延期されたため、対策を根本から変える必要があるような大きな変更点は無くなったと言えます。初年度の大学入学共通テストは従来のセンター試験をマイナーチェンジしたものと捉えて差し支えないでしょう。
一方、大学入学共通テストの導入と共に始まる学校推薦型・総合型選抜においては、従来のような書類提出だけの合否判定では無くなり①各大学が独自に実施する評価方法等(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、資格、検定試験の成績)もしくは②大学入学共通テストのスコア、のうち少なくともいずれか一つによる評価が必須化されるため、選抜に関わる手間が若干増えると言えるでしょう。
またここ数年間で大学受験の様相を厳しい方へ一変させた「定員管理厳格化政策」については保留のままでありますので変化はありません。
結論
①「4技能試験・記述式問題の導入延期」によって2021年度入試は従来の学習をほぼそのまま踏襲すれば良い状況⇒学習時間の長い浪人有利
②総合型選抜の開始に伴い、各大学は志願者一人一人を従来よりも多くのコストと時間をかける必要があるため推薦枠抑制の可能性⇒浪人生に対する門戸拡大