第172回 「来年度入試の実態と展望 ①」
皆さん!こんにちは!!いよいよ大学入試2020も佳境を迎えつつあります。全ての受験生の第一志望突破を祈っております!大学入試2020の最大トピックは「最後のセンター試験」であった事に異論は無いと思います。大学入試の中心に30年間君臨したセンター試験も、その歴史的な役割を終える時がやって来た訳です。この大きな転換点にきちんと立ち向かうために「来年度入試の実態」を様々な角度から分析していきたいと思います。
「高大接続改革」を知っていますか?
1990年に導入されて以降、一貫して大学受験の中核を担ってきたセンター試験が先月を持って廃止されました。政府が目指す「先行きが予想しづらい今後の社会へ対応」するために思考力・判断力・表現力等々を重視する方向へ舵が切られた訳です。マークシート形式で総合的な学力を評価しようとしてきたセンター試験では、この方針転換に対応できないと判断されたのです。この流れの中心にあるのが「高大接続改革」です。
高大接続改革における大学入試共通テスト導入の背景
急激に変わる社会に対応する高度な能力が求められる
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「確かな知識・技能」
「思考力・判断力・表現力」
「自ら他者と協力して学ぶ姿勢」
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センター試験を廃止、新テスト導入
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高等教育・大学入試・大学教育に「学力の3要素」に対する育成・評価を取り入れる
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高大接続改革
高大接続改革が目指すもの~「学力の3要素」
①基本的な知識・技能
②知識技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力
③主体的に学習に取り組む態度・姿勢
しかしながら、現在の高校教育ではこれらの3要素を育成できる授業が実施されていないことが問題となっています。その原因は知識を重視する従来の大学入試のスタイルにあります。結果として「知識のインプット」に軸足がおかれ、生徒の思考力や主体性が発揮されにくい授業が高校の教育現場で蔓延してしまっているのです。
そこで、大学入試を改革する事で、高等教育・大学教育を一括りに変えていこうとする高大接続改革の重要性が叫ばれたと理解してください。