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第168回 「大学受験2020 新トレンドを探る ③」

2020年の大学入試"

皆さん!こんにちは!!最後のセンター試験も終わり、いよいよ今年度の大学受験も佳境に差し掛かっております。前回までは全14回にわたり2019年の大学受験から何を学ぶべきかと言う観点から特集を組んで参りました。そこでのキーワードは「難関大学敬遠」、「滑り止めクラスの激戦」、「難関大学の合格者増」など2極化を示唆するモノが浮かび上がって参りました。これらのキーワードが実際に2020年度大学入試においてどのような動きとなっているのかを今回から探っていきたいと思います。

首都圏からFランク大学が消滅へ

前回は「滑り止めクラスの激戦」をトピックスとして取り上げました。今回はその延長線上でFランク大学の動向を探ってみたいと思います。Fランク大学というキーワードが登場したのは2000年に遡ります。河合塾が私立大学の難易ランク表に「Fランク」を新設したことが契機です。河合塾の偏差値(入試難易度)は、合格者と不合格者の割合が50%ずつになる偏差値帯を算出して設定しておりましたがこの偏差値帯を算出できない(不合格者がどの偏差値帯にもゼロまたは少数)大学・学部が急増。そこで「Fランク」を新設したのです。

その結果、Fランク大学とは「誰でも簡単に入学できてしまう大学(全入状態)」との意味に転じます。 慌てて河合塾は「Fランク」を使わず「BF」(ボーダーフリー)との用語に替えましたが、ネットや社会では「Fランク」が定着しました。 現在では「誰でも簡単に入学できてしまう大学」という意味だけでなく、「偏差値の低い大学」という使われ方が目立つようになってきています。

定員割れ状態も大きく改善

Fランク大学の最大の特徴は定員割れです。志願者数が募集定員に達さなければ、経営上全員の入学を認めざるを得ないことは自明です。この観点から数字を見ていきましょう。2014年度は私立大学587校中45.8%が定員割れとなっていましたが、2019年には同じく33.0%となって12.8ポイントも改善しています。また前年度に定員割れだった210校の内、「前年度定員割れだが今年度は定員充足」が67校、「定員割れだが区分上昇」が58校となる一方で「定員割れで区分が更に下降」は25校にとどまっています。こうした定員充足率の観点からも、ありふれた存在だったFランク大学が消滅の方向へ向かっている事が分かります。

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