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第148回 「首都圏私立大学 志願者動向総括」

大学

皆さん!こんにちは!あっという間に3月ですね。国公立大学の合否発表という一大イベントがまだ控えているとはいえ、事実上来年度受験がスタートしたと言って良いでしょう。特に私立大学はほぼ全ての行事を済ませましたので、首都圏私立大学の志願者動向を総括してみたいと思います。

全体的な傾向として、当初の予想通り、定員管理厳格化の影響で難易度は高止まりとなりました。これは継続的な現象ですが、昨年と違うのは受験生たちがこの高止まりを事前に織り込み、難関大学を「敬遠」したことです。この動きに関しては当ブログ第133回で「難関大敬遠」というキーワードで特集を実施しております。それほどまでに昨年の惨状が響いたという事でしょう。また、この「難関大敬遠」の反動として発生するであろうと予想された「中堅私大人気」も現実のものになりました。

実際の数字を見てみましょう。2月21日時点確定分の発表によりますと、私大の両横綱「早稲田」がマイナス5.0%、「慶應義塾」がマイナス3.3%となっています。受験者総数は横ばいだったわけですから、「敬遠」傾向が顕著だった事が分かります。もしかしたら、と淡い希望をいだいて「記念受験」をする余裕すら無かったのかもしれません。

続いて、「上智」が何とマイナス10.5%、「明治」がマイナス7.1%、「法政」がマイナス5.8%、「青山学院」がマイナス4.0%と軒並み大幅減となっています。受験生たちが極めて現実的な出願行動を取った結果と言えるでしょう。関西に目を向けても、「関西学院」マイナス8.6%、「同志社」マイナス8.3%、「立命館」マイナス2.8%ですから、一連の行動は首都圏のみならず日本中に蔓延していたことが確認できます。

東京

一方で「中堅私大人気」の象徴となったのが「専修」です。前年比で驚きの22.5%アップとなっています。「日東駒専」人気が予想されていたとはいえ、凄い伸び率です。同様に「駒澤」は8.9%と高伸長となりました。

一方、不祥事続きの「日本」はマイナス14.1%、実数にして約1万5000人の大減少です。彼らは「専修」と「駒澤」に流れたものと推測されます。また、ここ数年人気を伸ばし続けた「東洋」は0.5%プラスで高止まりとなりました。

加えまして、大幅に志願者を伸ばしたのが「桜美林」と「武蔵野」です。「桜美林」は69.3%アップ、「武蔵野」は59.5%アップと激増しました。両大学とも近年のキーワードである「都心キャンパス」や「学部新設」の流れに乗った結果ですが、それにしても凄まじい伸び率ですね。「難関大敬遠」傾向の受け皿として機能したことが分かります。

これらの現象を踏まえ、来年度を予想すると引き続きの「日東駒専」人気に加え、「大東亜帝国」にも志願者バブルが到来するのではと分析しております。こうなると逆に「難関大」を諦めずに狙う受験生にとってはチャンスが広がることも考えられますので慎重に動向を見極めていきたいところです。

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