第145回 「合格ライン突破の考え方 私立大学編」
皆さん!こんにちは!いよいよ今年度の大学入試も最終コーナーです。国公立大学や早稲田大学などの合否発表を残すのみとなりました。二次募集の情報を探している方もいれば、きっぱりと来年度に照準を合わせ直している方も既に大勢いらっしゃいます。そんな方達のために「大学受験とは一体何点取れば受かるのか?」、「それぞれの科目の目標点数とは?」という観点から分析を始めたいと思います。
大学入試の合否はほとんどの場合「総合得点」で決まります。私立大学の場合であれば2~3科目の単純合計得点が全てです。また合格最低点とは合格者の内最下位の人の総合得点を指します。ボーダーラインと呼ばれる事もありますね。特待生を狙わない限り、とにかくこのラインを上回りすればよい訳です。ぶっちゃけた話、満点を取ろうが、ボーダーだろうが合格には変わりはないのです。
それでは、私立大一般入試のケースを見てみましょう。某有名私立大学の実数値を見てみましょう。受験科目は3科目で各100点満点、合計300点。受験者数は2355名に対し合格者数383名で実質倍率は6.1倍。合格最低点は223点(得点率74.3%)となっています。
受験者の得点分布状況は以下の通りです。
①合格最低点から上10点の範囲に166名、合格者全体の43%が集中。
②不合格の最低点(222点)から下10点の範囲に236名。
③合格最低点での合格者は18名、1点差での不合格は27名。
文字通りの大接戦。たかが1点、されど1点。この1点が天国と地獄を残酷なまでに分けるのです。それではいよいよ、どうやってこの接戦を勝ち抜いていくのかという議論に移ります。一般的な私立大学の3科目入試では、得点が伸びない科目が一つあっても他の科目でカバーできる可能性が大いにある事が分かっています。絶対的な得意科目さえあれば、残り2科目が普通か、もしくは1科目だけはやや苦手でも心強い。ただし、当たり前のはなしですが苦手科目の失点が大き過ぎるとカバーしきれず上記のように1点に泣く事になります。
3科目とも等しく得意だという受験生にはお目にかかったことがありませんので、ここでは一般的な目標を考えたいと思います。私立大一般入試の合格ラインを7割と仮に設定した場合、得意科目8割台、残り2科目で7割台(やや得意)と6割台(やや苦手)を死守する「8・7・6パターン」を提唱したいと思います。
いかがでしょうか?自分の受ける3科目でどれを「8・7・6」に当てはめていくべきなのかという観点が受験戦略の中心となります。全科目8割台を狙うとなれば苦しいだけですが、苦手科目は苦手なりに6割台で良いのだと思えれば決して不可能には感じないのではないでしょうか?
得意科目はとことん技術を磨き、苦手科目では不必要な失点を防ぐことが目標達成の近道となります。1年後の大勝負のマイルストーンとして「8・7・6パターン」を是非活用してください!!