第134回 「2019私大入試展望 ⑤」
皆さん!こんにちは! 前回のブログでは東日本志願者数第1位を誇る法政大学の出願動向(速報値)から2019私大入試の大きなキーワードになりそうな「難関大敬遠」傾向を読み取りました。今回はこのキーワードを更に深堀りしたいと思います!!
約31万人が受験した第3回全統マーク模試の結果から2019私大入試の志望動向を分析していきますと、大都市部の難関大学を敬遠する”安全志向”が鮮明です。
特に昨年の私大入試難化の主役であった文系学部においては、一転して前年比9割未満の大学が散見されるところから判断すると昨年の反動が受験生並びに進路指導部を保守的姿勢に追い込んだものと推察されます。
大学別に見ていきましょう。
大学名 | 志願者数前年比 |
---|---|
慶應義塾大学 | 93% |
早稲田大学 | 87% |
東京理科大学 | 100% |
上智大学 | 85% |
明治大学 | 86% |
青山学院大学 | 86% |
立教大学 | 91% |
中央大学 | 86% |
法政大学 | 91% |
関西大学 | 95% |
関西学院大学 | 90% |
同志社大学 | 88% |
立命館大学 | 91% |
私大グループ別に見ていきますと、「早慶上理」は理系学部で前年比94%、文系学部で同88%。「MARCH」は理系が91%、文系が86%。「関関同立」は理系が97%、文系が89%となっています。
このような数値は過去を振り返っても関係者の記憶にない程極端なレベルとなっております。前回に論じた地殻変動はどうやら本格的なものになっているようです。
昨年話題となった”ところてん現象”が今年も健在で、成績上位層が一気に中堅私大に流れ込むと推測されます。昨年の”ところてん現象”は「MARCH」を最難関化させましたが、これと同様な動きが保守化傾向と相俟って「日東駒専」に拡大すると見て良いでしょう。
https://takeda.pro/hensachi110/2595.html
しかしながらご案内の通り、日大はスキャンダルの影響で人気薄ですから事実上は「東駒専」が歴史的難易度に到達するのが2019私大入試の最大トピックスであろうと判断できます。
また、入試動向を大きく左右する浪人生数は前年比107%と大幅に上昇しています。彼らが保守的な姿勢を見せれば、中堅私大の競争が一層激化し、現役にとばっちりが来そうな予感もあります。最後まで腹の探り合いが続きそうですが、上記傾向を上手く活用して悔いない出願を心掛けてほしいと願っています!