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第133回 「2019私大入試展望 ④」

皆さん!こんにちは! センター試験の自己採点も終わり一喜一憂する間もなく、来るべき本番に備えて心身ともに集中するべき時期に差し掛かって参りました。

精神的にも肉体的にもきつさを訴える方が多いこの時期ですが、楽な受験生などおりませんよ!先に音を上げた方が負けなのです。ゴールまでもう少し!
この一年の努力を無駄にしないためにも最後まで死力を尽くしてください!!

前回の記事では、2018年度の過剰な合格絞り込みの反動で2019年度は狙い目となる大学があるのではないかという分析をしました。
具体的には学部新設を果たすために定員充足率を96%以下に抑えたのが青山学院大学・中央大学・立命館大学・京都産業大学です。
また同様に学部新設が無かったにもかかわらず定員充足率を大幅に下げたのが法政大学・明治大学・立教大学・関西学院大学となっています。

この中でも特に法政大学を巡る動きに注目しています。既にご案内の通り、法政大学は志願者数において2年連続で全国2位、東日本1位を誇る私大の雄です。
志願者数は16年から10万1976人、11万9206人、12万2499人と、少子化などどこ吹く風と言わんばかりに年々増え続けています。

この躍進の源は、15学部の内11学部が人気の文系となっている事に加え、英語外部試験利用入試や2科目で受験できるT日程入試など受験生の立場に寄り添った制度改革が実を結んだものと考えられます。

法政大学

この勢いがこのまま続くものと考えられてりましたが、2019年度は様相が大きく異なりそうです。上述の様に法政大学躍進を支えた要素の一つがT日程入試だった訳ですが、先週金曜日1/18に締め切られたT日程最終出願状況は1/23時点で以下の通りとなっております。
まだ最終確定では無いので追加で若干の上積みがあるものと考えてください。

  

2019年度志願者数 前年最終志願者数 前年対比率
法学部 1418名 2064名 68.7%
文学部 1456名 2330名 62.5%
経済学部 1591名 3045名 52.2%
社会学部 1191名 2536名 47.0%
経営学部 1502名 2799名 53.7%
国際文化学部 689名 893名 77.2%
人間環境学部 830名 1261名 65.8%
現代福祉学部 494名 1121名 44.1%
キャリアデザイン学部 620名 980名 63.3%
グローバル教養学部 228名 396名 57.6%
スポーツ健康学部 665名 915名 72.7%
情報科学学部 444名 695名 63.9%
デザイン工学部 857名 1073名 79.9%
理工学部 1316名 1644名 80.0%
生命科学学部 335名 459名 73.0%
合計 13636名 22211名 61.4%

繰り返しますが最終確定数字ではないので、結論を急ぐことは出来ないものの減少傾向は鮮明と言っていいかと考えています。法政大学の2018年度志願者数は全国で2位、東日本で1位なのですから、これらの数字が意味するところは慎重に読み解かなければなりません。
勿論、本流であるA日程の志願者総数を見てみなければ最終結論は出せませんが、大きな地殻変動が起こっている事は確実と言って良いのではないでしょうか?

地殻変動のキーワードはずばり「難関大敬遠」となります。9月に実施された第1回駿台・ベネッセマーク模試の志望動向を分析しますと、難関私立大学で志望者が増えたのは東京理科大のみ、かろうじて学習院が横ばいで、残りは明白な敬遠傾向が見て取れます。
とりわけMARCHの志願者減少は鮮明でした。この模試での敬遠傾向が先行指標だったとすれば、上掲の法政大学T日程志願数は2019年度の実態を暗示するものとして考えて良さそうです。

法政大学

やはり2018年度の私大受験は異常な難しさだったのだと改めて認識できました。この敬遠傾向は紛れもなく、その反動です。「A判定でも不合格」、「全落ち」、「予定外の浪人急増」など2018年度の惨状を表現する言葉は枚挙に暇ありません。これらが受験生を、そして進路指導に携わる全ての方々をひたすら保守的に走らせた結果として、この度の法政大学T日程の集計があるのではないでしょうか?

前回分析の通り、合格者が増えると予想される大学もあれば、法政大学の様に実質倍率が大幅に低下する可能性のある大学もある訳ですから、「難関大敬遠」のトレンドに振り回されるだけでは無く、堂々と大胆に難関大学に挑戦する気持ちを忘れるべきではないと思います。
勿論、慎重かつ万全な滑り止め対策は必須ですが、その上で必要以上の敬遠は萎縮に繋がります。勇者にのみ勝利の女神は微笑みます。最終出願の参考にしてください!!

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