第69回 「厳しい現実 Ⅵ 激戦傾向は定着する見通し」
皆さん!こんにちは!!いよいよ新学期がスタートしました。史上最強の激戦が予想される2019入試の火蓋が切って落とされた訳です。
当ブログでは「厳しい現実」シリーズと銘打って過去5回に渡って2018年度の私立大学入試の最前線をレポートして参りましたが、今回はその続報として「厳しい現実 Ⅵ」をお届けします。
分析対象となる記事は2018/3/31付けの北日本新聞に掲載されたものです。単なるローカル記事では無く、首都圏私大入試の実情や本質を突いた重要なメッセージが網羅されております。
記事内では、早稲田大学が過去3年間で合格者を3500名減少させたとの指摘があります。他方、その内2000名は2018年度に削減されたとの報道もありました。当ブログ第62回でご案内したように、志願者数は増え続けているのにもかかわらず、有名私立大学サイドでは1000人単位で合格者を絞り込んでいるのです。競争が激しくなるは必定です。そして当記事内ではこの激戦が定着するであろうと予測しております。
既に何度も書いていることですが、この嵐に飲み込まれないために「無駄な授業」を廃し「自学自習」で鉄板の学力を身に付けるしかないのです。
有名私大狭き門に 県内受験生苦戦
⇒有名私立大学による合格者絞り込み顕著
県内の高校で都市部の私立大の合格者が減っている。2018年度入試では、県内からの合格者が17年度に比べて4割以上減った大学もあり、各高校の進路指導担当者からは「厳しい結果になった」との声が聞かれた。
背景にあるのは、国が都市部への人口集中を食い止めるため進めている大学の定員管理の厳格化。定員より大幅に多く合格者を出すとペナルティが課せられるため、有名私立大が合格通知を出す人数を絞っていることが、響いているようだ。
⇒明治大学28.2%減
北日本新聞が今月行い、県内高校・高専46校から回答を得た進路調査では、関東・関西の主な私立大13校の合格者数は計838人で、前年度の932人から10.2%の減少。
8つの大学で合格者が減り、明治大は28.2%減の51人、関西学院大は44.7%減の21人だった。
⇒例年なら受かっていた生徒が不合格
各高校や予備校の進路指導担当者からも「私立大が難しくなった」「例年なら受かっていた生徒が合格できなかった」といった声が相次いだ。
富山東高校は「近年、明治や青山学院、法政といった大学が合格しにくくなっている」と明かし、富山高校は「今年は関西方面も厳しくなった」とみる。
⇒合格率・青学43%から13%、駒沢30%から13%
高岡南高校は、私立大の合格者自体は増えたが、有名校の合格率は下がったという。昨年43%だった青山学院の合格率は13%に落ち、駒沢も30%から13%に。
進路指導担当の広岡謙一教諭は「今年は特に厳しかった。生徒が目標とするような有名大学で合格者が減った」と振り返る。
⇒定員超過した私立大に対し補助金の減額や打ち切り
都市部の私立大の合格が難しくなっている要因は、大学側が合格者を絞っていることだ。
私立大は入学辞退者が出ることを見越して定員を上回る合格通知を出すため、人気のある都市部の有名校などでは結果的に定員を超過するケースが多い。
国は近年、大幅な定員超過が学生の集中を招いて地方大の定員割れにもつながっているとして是正策を強化。16~18年度にかけて、定員超過した私立大に対し補助金の減額や打ち切りの基準を厳しくした。
⇒早稲田合格者を3500人削減
18年度からは大規模大学(収容定員8千人以上)は入学定員の110%以上、中規模大学(4千人以上8千人未満)は120%以上の学生を入学させた場合、補助金が交付されなくなる。
このため、各私立大は合格者数を抑制。早稲田大は16~18年度にかけて、一般・センター試験利用入試の合格者を3500人以上減らした。
立命館大や法政大などでも17年度に1割程度絞っており、このことが全国の受験生に影響している。
⇒各大学のボーダーラインは高止まると予想
県内の高校や予備校は大学の今後の動向を注視している。「県内は国立志向が強く、そこまで大きな影響はないのでは」という声がある一方、「希望する私立に入れず、浪人する生徒も出てくる」と心配する声も。
富山育英予備校の石田孝志校長は「各大学のボーダーラインが上がっており、再度下がることはないだろう。今後の指導に影響するかもしれない」と話している。