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第65回 「厳しい現実 Ⅳ 首都圏主要私立大学志願者動向」

皆さん!こんにちは!!前回のブログでは終わったばかりの首都圏私立大学の入試最前線戦を大学グループ別に分析し、各階層に影響を及ぼした「ところてん現象」を再確認いたしました。今回はこの結果を踏まえて、首都圏の主要私立大学の最新志願者動向を分析したいと思います。データは引き続き河合塾から引用いたします。

私学の雄「慶應義塾大学」の不人気が目立つ一方で、その他の主要私立大学は、正に「志願者バブル」現象が発生していると言っても過言ではない状況がはっきりと見て取れます。
この「志願者バブル」現象は来年度以降もしばらく続き、定着化する恐れも指摘されています。当ブログで再三予測している通り、来年度以降を見据えると今年度以上の難化を首都圏私立大学入試において覚悟しておく方が良さそうです。

首都圏主要大学の志願状況

<青山学院大学>

⇒過去10年で最多志願者、法学部3割増

大学全体の志願者数は前年比103%、4年連続で志願者が増加しており、過去10年でみても最多となった。
方式別にみると、一般方式で前年比104%、センター方式で同99%と、増加は一般方式によるものである。学部別にみると、前年の反動が出ているのが特徴である。
志願者が増加したのは、文、国際政治経済、法、経営学部である。とくに昨年の志願者数が前年から1割以上減少していた法学部では3割増となった。
また、文、国際政治経済学部は今春より全学部日程で学部内の複数学科の併願が可能となっており、これが志願者増の要因となったとみる。
一方、志願者が減少したのは、地球社会共生、理工、社会情報学部などである。なかでも昨年志願者が倍増していた地球社会共生学部では、今春は前年比70%と志願者が大きく減少した。
学部設置から4年目となるが、志願者数に著しい隔年現象がみられる。

<慶應義塾大学>

⇒不人気鮮明、文系理系共に前年割れ

大学全体の志願者数は前年比97%、4年ぶりの志願者減となった。年間の模試を通じて人気がない状態が続いていたが、入試でも志願者が増えることはなかった。
学部別にみても、志願者が大きく減少している学部はないものの、いずれも減少しており、大学として人気が感じられない状態である。
私立大全体では人気となっている経済学部(前年比96%)、商学部(同97%)も例外ではない。また、医、薬学部は4年連続、看護医療学部は2年連続の志願者減となっており、医療系の人気も低くなっている。
なお、理工学部の志願者は前年比98%だが、学門により状況は異なる。情報系の学科に進学できる学門5では志願者が増加したほか、学門1・2では前年並みの志願者数となっている。一方、学門3・4で志願者の減少が目立つ。

<上智大学>

⇒TEAP利用型147%増加、4技能が浸透

志願者数は前年比107%、3年ぶりに志願者が3万人を超えた。学部別にみると、神、総合人間科学部を除き、いずれも増加した。
方式別の志願者数をみると学科別で前年比99%、TEAP利用型で同147%と、増加はTEAP利用型によるものである。TEAP利用型は昨年までの2年をかけて全学部が2技能利用から4技能利用に移行した。
負担増が受験生に敬遠され、TEAP利用型の志願者数は2年連続で減少していた。
今春TEAP利用型の志願者が大きく増加したのは、受験者が低学年のうちから4技能への準備ができたこと、学科別に比べ、TEAP利用型の倍率、入試難易度が低い学科が多いことなどが挙げられる。
学科別入試では、文、経済学部など前年の志願者が大きく増加していた学部で減少した。一方、志願者が増加したのは、法、外国語、理工学部などである。
このうち外国語学部は昨年も志願者が大きく増加していたが、今春も前年比107%と引き続き人気である。とくに英語、ドイツ語学科で志願者の増加が目立った。

<中央大学>

⇒全学部で二桁増、併願割引制度も貢献

志願者数は大学全体で前年比120%と大きく増加した。昨年は前年比98%とMARCHで唯一志願者が減少したため、反動も大きく出た形だ。
方式別にみると一般方式で前年比115%、センター方式で同127%と、センター方式の増加率が高い。学部別にみても、いずれの学部も志願者は前年から1割以上増加した。
とくに増加が目立ったのは文、総合政策、商、理工学部である。理工学部では、5年ぶりの志願者増となった。理工学部では今春からセンター併用方式で2学科まで併願可能となった。
受験料の併願割引も実施したため、この方式の志願者数は前年比148%と大きく増加した。また、法学部でも一般入試で法律学科と国際企業関係法学科を併願する場合、受験料が割引となった。
このため国際企業関係法学科の一般入試では志願者数は前年比177%と、こちらも大きく増加した。さらに志願者の増加が目立ったのは、英語外部検定試験利用入試である。
大学全体の志願者数は615人→1,392人(前年比226%)と倍増した。

<東京理科大学>

⇒センター方式が大幅増、全体では前年比106%アップ

大学全体の志願者数は前年比106%。前年から約3千人増となった。方式別では一般方式の志願者数が前年比103%、センター方式で同113%と、センター方式で大きく増加した。
一般方式ではグローバル方式を全学(理学部二部除く)に拡大、1千4百人を超える志願者を集めた。なお、既存のB方式では前年並みの志願者数となっており、一般方式の志願者増はグローバル方式の導入によるものである。
センター方式ではA方式で前年比116%、C方式で同100%となった。C方式は昨年の志願者がその前年の7割程度まで落ち込んでいたが、志願者数は戻らなかった。C方式では全学部ともセンター試験は英・国の2教科を利用する。
昨年に続き、センター試験国語の平均点は低く、C方式の出願を取りやめた受験生が多かったものと思われる。学部別では、経営学部で数学の範囲に変更があった。経営学科B方式では数学を選択した場合に数学Ⅲが必要ではなくなった。
しかし、もともと国語での受験が可能だったこともあってか、志願者数に影響はなかった。一方、ビジネスエコノミクス学科のグローバル方式は数学Ⅲまでが必要となった。こちらは数学が必須であるため、志願者数は半減した。

<法政大学>

⇒最多記録更新、首都圏大学で最大の志願者数12万人

大学全体の志願者は前年比103%と増加した。昨年、過去10年で最多となっていた志願者数はさらに増加した。今春の志願者数は12万人を超え、現時点で首都圏の大学で最多となっている。
方式別にみると、一般方式で前年比101%、センター方式で同106%と、いずれも志願者が増加した。
学部別にみても志願者が増加した学部が目立つ。とくに増加率が高かったのは、社会(前年比133%)、経営(同112%)、情報科学(同123%)の各学部である。
このうち情報科学部は過去2年も増加率が1割以上で推移しており、人気となっている。志願者が減少している学部は、国際文化、法、生命科学部などである。
いずれも昨年志願者数が増加しており、とくに増加率が高かった学部では今春の減少率が高い傾向にある。一般方式の英語外部試験利用入試は人間環境、スポーツ健康で他の学部より志願倍率が高くなっている。
なかでも人間環境学部では5名の募集人員に877人の志願者が集まった。この2学部は他の文系学部に比べ、出願要件となる英語外部試験のスコア・取得級が低く、出願しやすいことが要因であろう。

<明治大学>

⇒募集人員増加に伴い前年比106%、4年連続増加

大学全体の志願者数は前年比106%と増加、4年連続の志願者増である。明治大では今春約1千名の入学定員増となる。一般入試でも募集人員は約700名増加する。
大規模な入学定員増も志願者増の要因の一つだろう。方式別にみても一般方式で前年比106%、センター方式で同107%と同様の傾向となった。
学部別の志願状況を確認すると、多くの学部で志願者が増加するなか、総合数理学部では前年比98%となった。総合数理学部は前年大きく志願者が増加しており、受験生に警戒された形だ。
志願者が大きく増加しているのは、文、経営、商学部など文系の学部である。文、商学部は前年から約1割、経営学部では約2割の増加となっている。文学部では心理社会学科に哲学専攻を新設した。
「哲学」自体、受験生に人気の分野とは言い難く、志願者数は既存の2専攻と比べ少なくなっている。

<立教大学>

⇒人気の観光学部146%増、全体でも115%と大幅増加

大学全体の志願者数は前年比115%と大きく増加した。MARCHのグループ内では中央大の次に増加率が高くなった。方式別では一般方式で前年比105%、センター方式で同133%と、センター方式での増加率が高い。
近年、立教大では志願者数の隔年現象がみられ、増減を繰り返していた。今年は減少年にあたったが、志願者は前年から9千人以上増加した。
学部別にみても、文(前年比124%)、現代心理(同122%)、観光(同146%)など、志願者が大きく増加した学部が目立った。一方、異文化コミュニケーション、経済学部では志願者数が前年を下回った。
なお、異文化コミュケーション学部では6年連続の志願者減となった。近年、国際系学部・学科の新設が相次いでいることも減少の要因の一つだろう。
英語外部試験が出願要件となる全学部日程グローバル方式は実施3年目を迎えた。志願者数は374人→1,397人→2,675人と年々大きく増加している。
異文化コミュニケーション以外の学部では、例えば英検なら2級と、要求される取得級・スコアはそれほど高くないことも志願者増の要因だろう。
英語外部試験を利用する入試は他大学でも拡がりを見せており、利用を考える受験生が増えている様子をうかがわせる。

<早稲田大学>

⇒難関国立大との併願効果で3年連続志願者増加

大学全体の志願者数は前年比102%、3年連続の増加となった。昨年に続き、志願者数は11万人を超えた。方式別にみると、一般方式で前年比103%、センター方式で同98%と、増加は一般方式によるものである。
学部別の状況をみると、文系各学部を中心に志願者が増加した学部が目立つ。文、法学部では前年から1割以上増加した。法学部は3年ぶりに志願者数が7千人を超えた。
前年までの志願者減の反動に加え、一般方式では今春入試から地歴公民の代わりにセンター試験の「数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B」が利用できるようになったことも影響していそうだ。
センター数学を利用することで、地歴公民科目で早稲田大用の対策が不要となり、難関国立大との併願者にとって出願しやすくなったのではないか。教育学部では5年連続の志願者増となった。
ただし、学科・専修により状況は異なり、志願者が増加したのは、英語英文学科、社会科学科の地理歴史専修などである。ただし、今春から名称変更する社会科学科公共市民学専修では、志願者数は2,775人→2,473人へ減少した。
一方、志願者が減少した学部は、国際教養、政治経済、理工3学部である。このうち国際教養学部では、志願者は前年比78%、3年連続の志願者減となる。
今春は一般方式で英語リスニングを廃止、英語外部試験の取得級・スコアを加点する方法に変更したが、志願者減に歯止めはかからなかった。政治経済学部の志願者は前年から1割減となった。
政治学科で志願者の減少が目立つほか、人気系統の経済学科でも志願者が減少、不人気となっている。
理工3学部はいずれも志願者が減少した。先進理工学部は3年連続の志願者減となっている。なお、3学部の志願者数を比較すると、先進理工学部が最多となった。

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