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第118回 「早稲田、法政、近畿大など私大受験戦争が激化 倍率上昇ランキング」

みなさん!こんにちは!!当ブログでも再三に渡り特集して参りましたが、2018年度私立大学受験は悲惨なほど難しいものでした。そして2019年度を見据えてもその方向性は全く変わらないどころか、さらに悪化するとも言われています。原因は勿論「定員管理の厳格化に伴う合格者の減少」です。来年度の入試に心してかかるためにも、ここで今一度その厳しさの背景を確認しておきたいと思います。記事はアエラドットからです。

志願者が伸びた大学トップ20

【表1】

 2017年の私立大入試はたいそう厳しい入試だった。その理由の一つが志願者の激増だ。前年に比べ約8%も志願者が増えた。

 新卒大学生の就職が好転し、なかでも文系学部の就職が良くなったことが志願者増の背景にあると見られる。

 08年秋にリーマンショックが起き、不況になって大学生の就職に深刻な影響が出たのが10年だ。特に文系学部の就職が厳しくなった。この時の大学の実就職率(就職者数÷<卒業生数-大学院進学者数>×100)は、大学通信の調べで74%だった。

 ところが、17年には88.1%に回復し、14.1ポイントも上がった。学部系統別の実就職率を10年と17年を比べてみよう。大きく上がっているところが多いが、理系では理・工が80.3%から91.7%で、11.4ポイントアップ。同様に農79.2%→91%(+11.8)など。これに対して文系学部は、法67.7%→85.8%(+18.1)、文・人文67.7%→84.7%(+17)、経営73.6%→89.6%(+16)、経済73.5%→88.4%(+14.9)などで、文系学部のほうが上がり幅が大きい。

 この文系学部の就職の回復が大学入試にも大きく影響した。それまで就職に強い理系学部の人気が高かったが、15年に潮目が変わり、文系人気が高く理系人気が低い“文高理低”の学部選びとなった。就職を考えながら、大学・学部を選ぶのは当たり前のことになってきている。

 大学新卒の就職が改善することで文系人気が高まった。その文系学部は私立大のほうに数多く設置されている。そのため、私立大人気がアップしているのだ。

 この他にも18年問題と言われるように、来年以降、18歳人口は減少し、大学は少子化でますます学生募集は厳しい状況になる。これから先を考えると、17年は最後に18歳が多かった年になり、約120万人だった。18歳人口は前年に比べて増えたこともあって私立大は志願者増となった。

 表1にあるように、今年の私立大は一般入試の志願者が大きく伸びた大学が多かった。トップは近畿大の2万6981人増だ。志願者総数14万6896人で4年連続の日本一の志願者数となった。2位の法政大は1万7230人増で11万9206人となり、近畿大に次いで初の2位になった。3位の東洋大は1万6294人増で、志願者数は10万1180人となり初めて10万人の大台に乗った。この他にも日本大、早稲田大、明治大が志願者を増やし10万人超えだ。17年は10万人を超えた大学が史上初めて6校にもなるほど私立大が人気を集めた。

志願者が伸びた大学・学部トップ20

【表2】

 次に表2の学部別に志願者が増えたところを見てみよう。もっとも増えたのが近畿大・経済学部の5859人増、続いて近畿大・経営学部の4421人増、法政大・経済学部の4275人増だ。経済学部を中心とした社会科学系の志願者増が目立っている。私立大全体でも経済、経営学部は前年比それぞれ15%以上増えている。

 これだけ志願者が増えれば入試は厳しくなるが、今年はさらに入試が厳しくなる要因があった。それが大学の定員厳格化だ。

 これは文部科学省が学生の大都市集中を防ぐことを目的に実施されている。地方大学の学生募集が厳しいため、大都市圏の入学者を減らすことで、地方の大学の学生を増やし地方創生につなげていく政策だ。

 これは国公私すべての大学を対象に行われているが、国公立大ではそれほど入学定員を超過して入学させていない。大規模私立大の場合は制限が厳しい。

 入学定員2千人以上の大学は、15年まで入学定員の1.2倍未満を入学させても国からの助成金が支給されていた。それが16年から段階的に割合が下がり、18年には1.1倍未満までにしないと助成金をもらえないことになった。

 つまり、15年までは入学定員2000人の大学では、最大で2399人にまで入学させても助成金がもらえた。それが来年には最大で2199人に減らさないといけなくなる。つまり最大200人減らすことになる。

これは大学にとってどのくらいの収入減になるかというと、文系学部だけの場合、平均学費から計算すると4年間でおよそ8億6千万円の減収だ。大学は入学定員を充足すると、経営が成り立つようになっているため、減収になっても経営に影響するわけではない。また、こんなにぎりぎりまで学生を入学させている大学はない。大学にとっては収入減になるが、その上1人でも入学定員をオーバーすると助成金をもらえないから、さらに痛手になる。

 入学者を減らすことは合格者を減らすことにつながる。17年入試は過渡期で、入学定員の1.14倍未満まで入学を認められているが、それでも前年に比べて合格者を減らす大学が続出した。

合格者を減らした大学

【表3】

 表3を見てほしい。17年の一般入試の合格者数を減らした大学のトップは、立命館大で3841人減だった。次いで早稲田大の2049人減、法政大の2011人減、立教大の1578人減などと続く。表4の学部別でも、立命館大の理工学部が1214人も減らした。関東学院大・経済学部も大きく減らしたが、これは今年から経済学部にあった経営学科を学部に改組し、2学科から1学科に減ったためとみられる。法学部の合格者減が目立っている。

合格者を減らした大学・学部

【表4】

 これだけ合格者を減らしたことで、例年なら合格していた受験生が不合格になった。今の受験生は現役進学志向が強く、地元の大学を目指す傾向が強い。そのため、2月の入試で不合格になった受験生が3月入試に殺到。3月試験の志願者は前年に比べ約15%も増えた。さらに、大都市圏で定員を割っていた大学で、定員を充足するところが増えた。地元の大学進学を目指す受験生が、入りやすい大学に流れたためとみられる。

 一方、地方はというと、日本私立学校振興・共済事業団のデータによると、北海道、東北、北関東、北陸、四国などにある大学の定員充足率が昨年に比べて上がった。定員割れ私立大の割合も、昨年の44.5%から39.4%に改善した。地方創生の狙いはある程度果たされ、その上、大学の定員割れにも歯止めがかかり、狙い通りになったといえよう。

 しかし、受験生にとっては、本当に厳しい入試だった。今年でなければ、合格した受験生もたくさんいた。志願者が増えて、合格者が減ったのだから、当然、倍率がアップする。志願者が大きく増えた大学を見ると、法政大の倍率(志願者数÷合格者数)は4.3倍から5.6倍へ上がり、早稲田大は6倍から7.2倍に、明治大は4.5倍から5倍にアップしている。

来年入試でも定員厳格化の影響で合格者は減りそうだ。しかも文系人気は続くと見られることから、私立大は厳しい入試になると予測されている。そのため、受験生の安全志向が強まり、難易度が低めの大学が人気になっているという。

その一方で、明治大のように入学定員そのものを増加する大学も少なくない。そういった大学では、一般入試の合格者数抑制が緩和される可能性も高い。今年、近畿大は920人の入学定員増を行ったため、一般入試の合格者を増やした。18年入試は、受験生にとっては少子化という追い風があるものの、さまざまな要因から厳しい入試になることは間違いないようだ。

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