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第78回 「受験シーズン本番直前の考察 Ⅰ」

皆さん!こんにちは!!いよいよ勝負を決する夏が到来します。浪人生にとっては勿論、部活動との両立を目指してきた現役生にとっても待った無しの季節がやって来るのです。
しかもこの夏は特殊な夏です。当ブログでも再三に渡りレポートしてきたように、2018年度の首都圏私立大学入試は異常なほどの難化傾向となりました。
伴いまして、残念ながら「全落ち」からの浪人増加により来年度は更なる競争激化を覚悟しなければならないからです。
夏本番を前に、今一度2018年度の首都圏私立大学入試の際立った特徴を振り返りたいと思います。

⇒首都圏私立大学は果たしてどれほど難化したのか?

首都圏私立大学

⇒「全落ち」増加による浪人クラスの活況

今春の大学入試は、大規模大学を対象とした定員抑制策(定員の1.10倍を超えて入学者がいればペナルティ)の影響を大きく受け、とくに首都圏では多くの大学が入学者を絞る傾向が見られた。そのため、「2018年問題」と呼ばれた18歳人口急減の影響はどこ吹く風とばかりに、大手予備校を中心として「私立文系の浪人クラス」が活況だという皮肉な事態が生じている。

⇒合格実績急落による生徒確保困難高校が続出

この現象は高校の大学合格実績にも影響を与えていて、その背景はともかくとして「合格実績が急落した」という印象を与えてしまう高校は、来春に向けての生徒募集で苦戦することが予想される。
また、中学3年生・小学6年生の子どもを持つ保護者にとっては「高校が持つ指導力と未来への可能性」を正しく判断できないまま受験校を選んでしまうかもしれないという危険性が生まれている。
ここでは、主に首都圏の高校生に人気の高い3つの大学を例に挙げて、今大学入試に何がおこっているのか、合格実績の数値から何を読み取ればいいのかについてザックリと検証していることにする。

<早稲田大学・過去4年間の合格実績に関する考察>

早稲田大学・過去4年間の合格実績

受験生動向が一番反映されていて、例として挙げやすいのが早稲田大学。
2015年以降新卒就職状況の好転を反映して「文高理低」とばかりに文系人気が高まっている事情がわかりやすく数値に現れている。

⇒文化構想学部・合格者35%減少!!志願者32%増加

⇒文化構想学部・合格倍率5.3倍から10.8倍へ倍増

最も分かりやすいのは文化構想学部。合格者が1543→1474→1179→1002と減少しており「これが定員抑制策なのか」と理解できる例として最適。
その反面志願者数は増えているので,2015年と2018年の比較では「志願者は32%増えて合格者は35%減(3分の2になった)」という受験生とその保護者にとっては恐ろしい事態になっている。
合格者数の減少は他文系学部でも顕著だ。

⇒社会学部・合格者33%減少!!志願者12%増加

⇒社会学部・合格倍率9.6倍から16.2倍へ激化

⇒政治経済学部・合格者22%減少!!志願者ほぼ横ばい

⇒政治経済学部・合格倍率6.9倍から8.6倍へ激化

⇒法学部・合格者22%減少!!志願者12%増加

⇒法学部・合格倍率4.8倍から6.9倍へ激化

しかしながら理系学部はここまでの厳しさではない。
創造理工学部では合格者数の減少は70名(10%未満)にとどまり、志願者も150名減少しているので倍率でみれば4.2倍→4.4倍と微増。
文系学部との違いが明確になっている。

⇒しかしながら理系学部ではそれほど難化せず

⇒数学を受験科目として再考を!

【注】これらのことをふまえて高校の合格実績を見れば、特に首都圏の女子校では違いが明確になるだろう。
数学を早々に捨て私立文系を選ぶ者が多い高校では、入学時のレベルが高ければ高いほど「早稲田大学に落ちまくる生徒」が続出することになる。
逆に、女子校といえども理系の生徒を多く抱えた高校や早稲田を併願扱いにできる難関国公立大志望者(現役時は受けたがらないが、きちんと情報を理解させて受験まで誘導することが必要だが)を抱える高校は減少の幅を小さくできたはず。
これを地方にあてはめれば、男女問わず地域の有力進学校でも同じことがおこっていると推測できる。

次回は「明治大学」と「東洋大学」を考察いたします。

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