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第130回 「2019私大入試展望 ①」

皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。いよいよ今週末にセンター試験が迫って参りました。毎年の事とは言え受験生諸君の緊張感が伝わってきて、講師一同身が引き締まる思いです。

受験勉強をする熊

昨年の私大入試の難易度上昇の記事は弊ブログでも何度も書いて参りました。本当につらい事でしたが、受験生の悲鳴が聞こえてくるような厳しい結果が相次いだ事になってしまいました。

この原因を作ったのが文部科学省が打ち出した「私大定員の厳格管理」に他なりません。従来は水増し合格者からの授業料収入に加え、国からの私学助成金の二重取りをしていた私立大学群は、この措置に震え上がりました。

勿論、所轄官庁である文部科学省に逆らえる訳でも無く、各私立大学はあっさりと合格者の絞り込みに動いたのです。その結果、これまで早慶に滑り込んでいた層は、MARCHに追いやられました。同様にMARCHに滑り込んでいた層は日東駒専に追いやられた訳です。

と、ここまでは一般的な想像が働く範囲ですが、2018私大入試の実態は更にその上を行ったのです。最上位である早慶が想定以上に合格者数を絞ったために、そのとばっちりがMARCH、日東駒専、大東亜帝国を襲いました。結果として、私大受験の定石だった「早慶」の滑り止めは「MARCH」、「MARCH」の滑り止めは「日東駒専」、、、が崩れたのです。首都圏全体で慶應義塾の総合格者数が丸々吹き飛んだと言われている訳ですから何が起きても不思議ではありません。

授業風景

それでは最終的に何が起こったのか?それは想定外の全落ちの結果としての浪人増加です。早慶志望者は慣行に従いMARCHで滑り止まると思っていましたから、日東駒専には出願していない層が多数を占めておりました。
しかしながら、彼らはこの嵐に飲み込まれ、滑り止めが機能しなかったのです。これが各階層で繰り返されたのが2018年度でした。にわかに浪人ブームとなり大手予備校の定員札止めが相次いだのは記憶に新しいところです。

これまでの流れを基に、2019私大入試を展望いたしますと、
①定員管理の更なる厳格化
②想定外の浪人増加のダブルパンチで史上最激戦となるのでは?
という見立てが専らでしたので、今春私大受験に臨む諸君には幾度となく注意喚起をしてきた次第です。

ここで朗報です!!
これまでの施策により入学定員超過が改善し、一定の効果が見られたとして当面の間、罰則実施を見送る事が決定されたのです。国は3年後を目途に罰則再実施の是非を検討するとしています。

受験生にとっては一方的な国策変更によって振り回された2018と違い2019は「少しは正当に評価される。」と考えても良さそうな気配もありますが、その一方で楽観論を打ち消す観測もあるようです。詳しくは次回へ!

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