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第66回 「厳しい現実 Ⅴ 関西圏主要私立大学志願者動向」

皆さん!こんにちは!!前回のブログでは首都圏主要私立大学の志願者動向から、「志願者バブル」現象が発生している事を検証いたしました。
今回は同様の現象が関西圏の主要私立大学においても発生しているのかを精査していきたいと思います。データは引き続き河合塾から引用いたします。

<同志社大学>

⇒過去10年で最多3年連続増加、経済学部2割増

大学全体の志願者数は前年比104%、3年連続の志願者増となった。過去10年でみても最多となっている。方式別でみると一般方式で前年比107%、センター方式で同95%と、対照的な動向となった。
センター方式は昨年志願者が大きく増加しており、敬遠されたようである。学部別にみても志願者の増加が目立つが、とくに増加率が高かったのは心理、政策、経済、生命医科学、文化情報学部などである。
経済学部の志願者は2年連続で前年から約2割増となっており、強い人気を示した。また、政策、経済学部は過去10年で最多の志願者数となった。
志願者が減少したのは、理工、スポーツ健康科学部などである。理工学部は前年から1割減となった。
ただし、学科により状況は異なり、インテリジェント情報工、情報システムデザイン、電気工学科では志願者は増加した一方、機械システム工、機能分子・生命化学、環境システム学科などで減少した。

<立命館大学>

⇒全体志願者数103%、政策科学部は1.5倍増

大学全体の志願者数は前年比103%となった。方式別にみると、一般方式で前年比105%、センター方式で同99%となった。
センター方式では2年連続の志願者減である。今春は食マネジメント学部が新設され、2,901人の志願者が集まった。これを除くと大学全体の志願者は昨年を下回る。
学部別にみると、政策科学、情報理工、映像学部で志願者が大きく増加した。いずれも昨年志願者が減少した学部である。
このうち政策科学部は隔年現象がみられる学部だが、この3年はとくに顕著で、今春の志願者は前年から5割増となった。
情報理工学部では、理工、生命科学部の志願者数が前年を下回るなか、1期入試の志願者数は5千人を超えており、過去10年で最多となった。
志願者が減少したのは、産業社会、経営、理工学部などである。産業社会、経営学部の昨年の志願者は過去10年で最多となっていた。
そのため反動も大きく、今春の志願者は産業社会(前年比90%)、経営(同85%)と大きく減少した。設置3年目を迎えた総合心理学部の志願者数は前年比98%にとどまった。
昨年の志願者は前年の7割まで落ち込んでいたが、その反動は見られなかった。

<関西大学>

⇒関関同立最多の1万人増で、前年比113%

大学全体の志願者数は前年比113%と大きく増加した。前年から1万人近く増加しており、増加数は関関同立グループの中で最多となった。
方式別にみても一般方式で前年比111%、センター方式で同118%と、いずれも大幅に増加した。学部別にみても、総合情報学部を除いたすべての学部で前年の志願者数を上回った。
なかでも文、社会、法、政策創造、経済、化学生命工、人間健康学部では、志願者が前年から1割以上増加した。政策創造学部では昨年も志願者が前年から1割以上増加していたが、今春はさらに5割増となった。
同じく文学部は2年連続、経済学部は3年連続の志願者増となった。化学生命工学部は前年志願者が大きく減少しており、その反動が出た形だ。
関西大では今春入試で新方式の導入や既存方式の科目負担減など、入試の変更が目立った。政策創造、経済、人間健康学部では新方式を導入した。
また、環境都市工、システム理工学部ではセンター中期の語学力重視方式のセンター試験必要教科・科目数が5科目から4または3科目になった。
システム理工学部の語学力重視方式では志願者が倍増しており、新方式の導入や科目変更が志願者増の一因になっている。

<関西学院大学>

⇒一般方式、センター方式共に前年度水準維持

大学全体の志願者は前年比100%、4年ぶりの志願者増となっていた昨年の志願者数を維持した形だ。方式別でも一般方式で前年比100%、センター方式で同99%と、同様の傾向となっている。
学部別には志願者数の増減がみられる。志願者が増加したのは人間福祉、法、総合政策、経済、商学部で、社会科学系の学部となっている。
なお、経済学部では今春から一般方式に理系型を導入した。理系型では数学Ⅲ、理科などが必須で、志願者数は従来からの文系型の10分の1以下にとどまった。
志願者が減少した学部は、文、教育、社会、国際、理工学部などで、いずれも昨年志願者が増加していた学部だ。昨年の志願者増加率が高い学部ほど、今春の減少率が高くなった。

<総括>
関西学院大学のみが現状維持と出遅れてはおりますが、関西圏の雄である関関同立においても、やはり首都圏同様に「志願者バブル」現象が発生していたことが確認できました。
来年度以降を見据えても首都圏同様、一層の難化を覚悟しなければならないでしょう。

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